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《映画感想》超楽しい!!前シリーズとは全く違うジュブナイル作品『ゴーストバスターズ:アフターライフ』

また過去のヒット作の続編映画が公開されました。ゴーストバスターズ:アフターライフ』です。f:id:shikamarusan:20220211201801j:imageそらゴーストバスターズは大好きなので、観に行きました。(1作目は大好き、2作目はスライムしか覚えてないw、リブート版は結構面白かった)

結論から言うと、過去作のような軽いノリはないけれど、ワクワク感を最高潮に高めてくれる心地よいジュブナイル作品に大変身してた!!!

っという感じです!つまりは、大満足でした笑笑

 

今回は3点に絞って、感想を話していきます。

※今回もネタバレ全開なのでご注意ください。

 

1.一新された作風

1984年と1989年に公開されたオリジナル・シリーズと2016年に公開されたリブート版は、心霊やオカルト現象をコメディアンの俳優たちが演じる主人公たちが面白おかしく解決する、というその軽いノリが要でした。
しかし今作は要素として、破産したシングルマザーと疎外感のある兄妹、変人扱いされて周りから煙たがれていた祖父の幽霊屋敷、田舎町で起こる大地震というような、今までの作風とは全く違う要素で構成されていました。
特に子供たちを主人公にしたことで、ジュブナイル作品に変わっていました。コメディアンの小気味の良いギャグ満載であった前作を想像していると、だいぶ印象が違うかも…。


疎外感を感じていた子供たちが、移り住んだ土地と祖父に関する謎を説いていく中で、ガジェットが見つかったり、怪奇現象に対面していく姿をワクワクしながら観る事ができました。特に主人公のフィービーがプラトンパック(心霊捕獲装置)を見つけて友人のポッドキャストと試し撃ちをするシーンには、「自分も見つけたらやってるだろうな〜」と思わされました。また、兄のトレバーが納屋で見つけたEcto-1(ゴーストバスターズの乗り物)を運転し、フィービーたちと合流して、ゴーストを追いながら街を疾走するシーンでは、「街壊して怒られやしないかなぁ〜」という思いと主人公たちと同じ目線でゴースト追う高揚感でハラハラさせられました。


ラストの感動シーンには、子供たちの成長を感じると同時に、祖父に愛されなかったと感じる一方、娘が心を開いてくれないと嘆いていた主人公たちの母が父の愛を再確認するという、家族の再生が描かれていました。

 

2.“イゴン・スペングラー”という人物

ゴーストバスターズのオリジナルメンバーであり、電子工学と超常現象の知識に長けたチームの“頭脳”であった彼に対するオリジナルシリーズを観ていた際の私の印象は、“ユニークだけど掴みどころがない”というものでした。
変人だけどガジェットを作らせたらピカイチで、何かの現象を説明する際の語り手を担うキャラクターで、いなくてはならない存在でした。しかし、受付だったジャニーンとのロマンス(?)はあったものの、論理的な考え方を重んじる人間味のあまり感じられないキャラクターのように感じていました。


そんな彼を演じていたハロルド・ライミスは2014年に病によって他界してしまい、その当時に話の上がっていたシリーズ3作目の話も消えてしまいました。しかしオリジナルシリーズの監督であったアイヴァン・ライトマンの息子ジェイソン・ライトマンが、ライミスが亡くなって一度は頓挫した続編企画を、ライミスが演じたスペングラーが軸となる話で復活させてくれました。


オリジナルシリーズ後のスペングラー博士は、化学や超常現象にしか興味がなく娘を遠ざけてしまい、周囲から変人扱いを受け、仲間とも疎遠になってしまっていたという、今作冒頭の紹介は、私の印象通りであったと共に切なさを感じるものでした。
しかし、ストーリーが進むにつれ、彼が娘を愛していつも心配をしていたこと、街の人々に何と言われても危険な存在から人々を守っていたこと、仲間にも危険を伝えていたことが明かされていきます。
そこで、今まで不透明だったイゴン・スペングラーというキャラクターがどのような人物だったか、がしっかりと描かれていたように思いました。
また、幽霊になっても孫とチェスをしたり謎を解かせたり、一緒にガジェットや車を修理したり、娘に自分が大事にしていた写真を見せるシーンには、彼の家族への想いが不器用ながらも伝わってきて涙を誘われました。
今作があったことでスペングラーのことが深掘りされたことは、非常に良かったことだと思いますし、ジェイソン・ライトマンが父の作品に対して誠意のある作り込みをしてくれたことが伝わる要素でした。

 

3.オリジナルキャストの帰還

f:id:shikamarusan:20220211204127j:image・ここ最近のハリウッド大作は、過去のヒット作の続編やリブートなどの所謂“二次創作的作品”が多く作られています。そして、その多くが過去作の要素やオリジナルキャストによる“エモい”演出で観客を感動させるのです。(良い意味でも悪い意味でも)


今作も勿論その例の一つで、オリジナルキャストであるビル・マーレイダン・エイクロイドシガニー・ウィーバー、アニー・ハドソン、アニー・ポッツが登場し、作品を盛り上げてくれました。特にオリジナルメンバー揃い踏みによるラストバトルは、ぬっぺりとコスプレをした老人たちが登場(笑)してきて驚きましたが、その引っ張り続けた登場には素直に嬉しかったですね。


そして1作目の『ゴーストバスターズ』からの流れを汲みつつ描かれたのは、一人ではダメでもみんなが揃えば対抗できる、というシンプルだけど凄く胸にメッセージでした。映画冒頭でスペングラー博士が一人で悪役を罠にかけて捕獲しようとしたものの、失敗し、命を落としてしまうというシーンに対してラストではファービーと兄のトレヴァー、オリジナルメンバーであるヴェンクマン、スタンツ、ウィンストン、そしてファービーの祖父スペングラーのプロトンパックによる攻撃で撃退するという、何とも胸熱な展開。戦いが終えた後も、仲間と合流し、娘や孫たちと接して笑顔で消えていくと言う、本当に涙がちょちょぎれる演出をぶちかましてくれました(怒泣)


こんなオリジナルキャストの豪華過ぎる使い方、エモすぎてズルイですネ。
オリジナルシリーズをまた観たくなる演出でした。

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今後、今作がシリーズ化されていくのかは分かりませんが、新しくジュブナイル作品として作っていくのもアリではないかと、思います。(キャスト陣の成長など課題は多いかと思いますが笑)

オリジナルシリーズに敬意があり、尚且つただの焼き直しになっていない良作として今作は新しい歴史を作ったのではないでしょうか。

 

以上

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