【アメコミをよむ#9】吸血鬼、ゾンビ、殺戮マシン…マーベル血みどろ邦訳3作品
大量のアメコミとフィギュアを集めて、無駄なものに囲まれて暮らすのも幸せと知る今日この頃です笑
先月はバットマン祭り&ヤンアベ、チャンピオンズという凄いラインナップが邦訳されました。その山盛りの次の週は、お財布を癒してくれるかのごとく、2冊お手頃に買えるアメコミが邦訳されました。
今回はその2冊(デップーとウルヴァリン新作)と、映画公開間近の『モービウス』初邦訳本の感想書いてきたいと思います。奇跡的になんと全部血が飛び散る血みどろな3作でしたよ〜笑笑
①モービウス
SONY製作のMARVEL作品『モービウス』の4月1日の公開に合わせて初邦訳化されたコミックです。
血液の病気を治療しようとした挙句、失敗し人工的なヴァンパイアになってしまったマイケル・モービウスが主人公です。人の血を求めてしまう危険な存在ではありますが、悪人だけを襲おうと決めているアンチヒーローです。
そして今回邦訳されたコミックは、悪党退治をしていたモービウスがとあることをきっかけに吸血鬼としての側面が暴走しはじめてしまい、彼の過去を知るヴァンパイアハンターエリザベスと旧知の仲であるスパイダーマンと遭遇する…というお話。
そのため今作は、オリジンでもなく、スパイダーマンとの初めての出会いでもないお話です。ですが初めて読む人もわかるようにモービウスとエリザベスの回想という形で彼のオリジンが散りばめられています。
映画を観る前に、モービウスの能力に対する苦悩やキャラクターとしてのスタンスをより理解するのにはもってこいの作品だと思います。
②ナイト・オブ・ザ・リビング・デッドプール
デップー久しぶりの邦訳デッドプール単独作品(デッドプールvsパニッシャー以来か)。
今回はタイトル通りゾンビ映画の金字塔『ナイト・オブ・ザ・リビングデッド』をオマージュした作品で、同じゾンビを扱ったコミック『ウォーキング・デッド』の要素も見受けられます。
デッドプールでゾンビというと邦訳第一号となった『デッドプール:マーク・ウィズ・ア・マウス』を連想する人もいるかも…笑
チミチャンガの大食いに挑んでいたデッドプールは、そのまま寝落ちしてしまい、起きると店の中は誰もいない。それどころか外を出てみると世界は彼を取り残して終末を迎えていた…という、何ともツッコミたくなるはじまり。
しかも、デップー曰く何の前触れもなくそんなことになったと言うのですが、彼の回想シーンでは彼が気にしていないだけで、周りでゾンビによる事件やそれらしい兆候が起き始めていた、と言うのがまた笑えます。
安全な土地を探す軍人と少年たち、流浪の奥様方の群れ、生き残ったもう1人のコスチュームヒーロー(?)…色んな要素、そして今作がデッドプールが主人公であることの意味が終盤は描かれます。
『マーベル・ゾンビーズ』や『ディシースト』とはまた違うゾンビ×ヒーローのコミックが楽しめます。
続編も発売が決定しているらしいので、それも楽しみぃ〜。
③ウルヴァリン:ブラック・ホワイト&ブラッド
X-MENいやMARVELコミックスを代表するヒーローの一人、ウルヴァリンの短編集。ヒーローではありながらも、その能力と生い立ちから、荒々しい獣のようなイメージを強く持つキャラクターでもあります。今作では、そんな彼に相応しい試みがされています。それがサブタイトルの“ブラック、ホワイト&ブラッド”の通り、モノクロと赤のみで描かれているという点です。赤は主に血飛沫や血痕などで使われ、モノクロの絵面によりインパクトを残します。
ウルヴァリンの荒々しい戦闘スタイルとその飛び散る血の演出がベストマッチしています。
そしてストーリーですが、あらゆる時代のウルヴァリン=ローガンを描いており、違うライター、違うアーティストが違うアプローチをしています。
私が特に気に入ったのは、日本が舞台となる『32番目の刺客』と最後に収録されている『野生の魔境』です。
前者は、最愛の人マリコと彼らの養子となるアミコとの関係性が描かれます。不器用過ぎる親心と敵として現れるのにアミコを気遣っているシルバーサムライが凄く良いです!
後者は、これまた彼と関係ある野生の土地サヴェッジランドを舞台に、宿敵の一人である翼竜の怪人サウロンと一時的な共闘をするお話で、二人の掛け合いが面白いです。
======================
3作品とも、アメコミの中でも中々に血が飛び交う作品。グロ描写がそんなに強いわけではないので、グロがダメな私でも全然読めました笑
また、3作品どれもが比較的ページ数の少ないものばかりだったので、お値段と読みやすさはかなりお手頃でした。
以上