《アメコミをよむ#1》『スパイダーマン/ファンタスティック・フォー』でスパイディ& FF愛爆発!!
今回から読んだアメコミの簡単な紹介と感想を定期的に書いてこうと思います。
第一弾は11月25日に刊行された『スパイダーマン/ファンタスティック・フォー』です。ファンタスティック・フォーは、MARVELコミックス内でも非常にメジャーであり、最古のヒーロー・チームであるにも関わらず、実写映画化はどれもイマイチで、日本でも中々邦訳化されないので、少し不遇な扱いを受けているように感じます…。
しかし、 MCUのラインナップについに再々映画化が決まり、それに合わせる形で今作が刊行されました。
いやぁ、非常に感慨深い。
しかも初期から親交の深いスパイダーマンとのチームアップ作ですからね。
ナイスチョイス!!
◆今作のあらすじ◆
今作は大きく分けて2部に分かれます。
1部は、今回書き下ろしの新作で、4章に分かれて4つの時代のスパイダーマンとファンタスティック・フォー(以後FF)の関わった事件を描きます。
FFの宿敵のDr.ドゥーム、海底の王者ネイモア、みんな大好きヴェノム、地底の怪人モールマンなどと戦いますが、どうやらその裏で何者かが糸を引いているようです…。
『Spider-Man / Fantastic Four』#1〜4
2部は、1980年に描かれたスパイダーマンの単独誌とFFの単独誌それぞれで行われたクロスオーバー2編で成り立ちます。スパイダーマンの宿敵エレクトロとサンドマン、FFの宿敵のウィザードとトラップスターが手を組んで起こした事件に協力して挑みます。
・『Peter Parker The Spectacular Spider-Man』#42
・『Fantastic Four』#218
◆感想◆
時代を重ねていくに連れて変化していくスパイダーマンとFFの面々の関係性が凄く愛おしいっ!!
スパイダーマンは、アベンジャーズのメンバーになったこともあるけど、基本的にはソロプレイヤーで、そんな彼がデビュー当時から頼ったりしていたのがFFでした。
科学者として尊敬するリード、女性が苦手なスパイディにとって緊張せず話せるスー、同世代で歪みあったりもする友人のジョニー、実は似た悩みを持っているベン。いつの間にかスパイディ自身がチームの、家族の一員であったことがわかります。
また、今作の特徴として、4つの別の時代を描いているため、時期によってキャラクターたちに違いがあることが楽しめます。
1章ではデビューから間もない彼らが描かれるため、スパイディやジョニーは大学生くらいの年齢、リードとスーはまだ婚約中でした。青臭いスパイディとジョニーの掛け合いが初々しい。
2章ではリードとスーの間に息子のフランクリンが生まれ、スパイディはヴェノムの寄生に悩まされています。
3章では念願の邦訳デビューとなる、臨時チーム“ニュー・ファンタスティック・フォー”が登場。死んだかと思われていたFFメンバーの代わりにスパイディとハルク、ウルヴァリン、ゴーストライダーが活動していました。今見てもアウトローたちの塊。パワーバランスもヤバすぎ…。
4章ではやっと現代。それぞれの関係性を改めて振り返ることになります。
逆に言うと、その当時の事情を知らない人とかキャラを知らない人が読むと、唐突に感じてしまう要素が多い作品に思えます。
なので、邦訳版の心強いお供である解説書が凄く役立ちます。今回はスパイダーマンとFFの共演したエピソードやそれぞれのターニングポイントが年表として掲載されています。
今回も製作していただいたShopro編集部の方々には頭が上がりません…。
という感じで、最初期から強い絆のあるスパイダーマンとファンタスティック・フォーの活躍が見たい方にお勧めしたい一作でした。
以上