【映画感想】城定監督×今泉脚本の複雑な恋愛模様『愛なのに』
新作映画を多く観るには、やはりお金がかかってしまう。成人男性が劇場で映画を観ると、通常は大体1900円かかってしまいます…
日本の映画料金は高過ぎる!!つい、YouTube見ててもテレビ見てても出てくるアノ人みたいに、声を大きくして言いたくなってしまうわけです。
そんなこんなですが、多くの劇場では1200円ないしは1100円で映画が観れるサービスデーなんてものが設けられているんですよね。
イオンシネマだったら月曜日が1100円、そのほかの劇場だと水曜日が1200円になるところがあります。あとは毎月1日はそのサービスデーにあたります。
平日の始まりや平日のちょうど中間地点である月曜日や水曜日はやはり劇場から足が遠のくわけですが、2000円近くの鑑賞料金が700円くらい浮くって聞くと行かずにはいられません。
というわけで水曜日のサービスデーで今回、吉祥寺にあるアップリンク吉祥寺に足を運んできまして…城定秀夫監督×今泉力哉脚本の『愛なのに』を観てきました!このコンビで言うと、昨年公開の『街の上で』の印象が強いのですが、前作が今泉さんが監督、城定さんが脚本だったのに対して、今回は逆になってました笑
◆あらすじ◆
古本屋の店主・多田(瀬戸康史)は、昔のバイト仲間、一花(さとうほなみ)のことが忘れられない。その古本屋には、女子高生・岬(河合優美)が通い、多田に一途に求婚してくる。一方、亮介(中島歩)と婚約中の一花。結婚式の準備に追われる彼女は、亮介とウェディングプランナーの美樹(向里祐香)が男女の仲になっていることを知らずにいて…。
ーーーHP参照(https://lr15-movie.com/ainanoni/index.html)
◆感想◆
この映画の主題は何と言ってもタイトルにもなっている“愛なのに”ということだろう。
今作で描かれる登場人物たちの愛情は、どれも“愛ではあるけど…”と言ってしまうようなものばかり。
例えば、主人公の多田に何度も何度も求婚をする女子高生の恋路は、確かに熱烈な《愛》ではあるものの、一般的に見ると少し歪だ。10以上も歳の違う古本屋の店員に恋文を渡してフラれても何度も何度も来るのだ。純愛ではあるものの、穏やかではないなぁと思ってしまう。
対照的に一花とその婚約者の関係は愛…なのか、というか愛とはやっぱり定義しづらいものなのかもしれないなと感じた。
大筋にあるあの歪さは、それぞれのシーンでもコミカルさとして上手く描かれていて、劇場では声を出して笑ってしまうところもあった。冒頭の岬の多田への告白シーンや岬を好きな男子高校生が古本屋にやってくるシーンなど。特に面白かったのは、一花の婚約者が、喧嘩して出て行ってしまった一花を健気に待っていたフリをするために、数秒前まで食べていたカップラーメンとワンカップを急いで捨てるシーン。あのお間抜けさはシュールさの極み笑
ラストシーンまで割とニヤニヤさせられるようなコミカルでピュアさもありつつ、エロスも忘れないという大人にピュアさを思い出させようとするような今泉力哉さんの魂胆があるような気がした。
まぁそれをラストの方で肯定しているようで、強烈なカウンターパンチを喰らわせる辺り、人が悪いなと思ってしまうが笑笑
以上