【アメコミをよむ#8】『ザ・バットマン』鑑賞前に読んでおきたい原作コミック4選
来る3月11日、DCコミックス原作実写映画最新作『ザ・バットマン』が公開されます。
私は先日、試写会で先取りさせていただきました。
とにかくリアルで、とにかくダーク!バットマンでしか描けない、コミック映画の新たな歴史を築いた作品だと思います!
そこで今回は先取りさせていただいた私がこれを観ておくとより楽しめる、より理解を深められるようになるであろう、予習にふさわしいコミックを4作ほど厳選いたしました。予告などで公開されていること以上のネタバレは一切なしで、紹介させていただきます!
①バットマン:イヤーワン
『ザ・バットマン』(以降、ザバ)のトーンで1番近いのは言うまでもなく、バットマンの誕生秘話を描いた『バットマン:イヤーワン』だろう。
コスプレの犯罪者たちがのさばる前のギャングによる街の覇権争い、犯罪と汚職に塗れたゴッサムシティを立て直すためにブルース・ウェインがバットマンとして立ち上がるお話。
ザバに関しては、“バットマンになるまで”を直接は描いていないため、少しストーリー性は離れるものの、若き日のブルースが主人公である点、主要なギャングの登場、キャットウーマンことセリーナのビジュアルがそのまんまであることなどを踏まえると、影響は多大に受けていると思われる。
②バットマン:ロング・ハロウィーン
・前述の『バットマン:イヤーワン』から続く、2,3年目のバットマンの活躍を描いたコミックで、バットマンの探偵としての顔が最大限に活かされたミステリー作品だ。
各月の祝日に、マフィアなどを殺害する謎の殺人鬼ホリデイの正体を追うバットマンと、マフィアに代わってヴィランたちが台頭を始めるゴッサムシティが描かれている。
正体不明の犯人の残した証拠から犯人を探そうと奮闘するバットマンの姿はザバで描かれるブルースそのものと言える。
③バットマン:ゼロイヤー
・DCコミックス刊行のシリーズが全て再スタートされたNEW!52という企画。その時期に描かれた『バットマン:イヤーワン』とは別の新たなバットマンのオリジン(誕生譚)がこの『バットマン:ゼロイヤー』だ。
今作の最大の特徴は、なんと言ってもバットマン=ブルースの若さ故の青臭さだ。感情的になったり、失敗したり、敗北したり。とにかく等身大の男として描かれている。また、メインヴィランとなるのがザバと同様、リドラーであるため、謎解きや奇行でバットマンを錯乱させるという点があり、そこも通ずるところだろう。
④ゴッサム・セントラル:正義と悪徳
・今回紹介する作品の中で唯一、バットマンが主役ではない作品。本作の主人公たちはゴッサムシティの刑事たちだ。彼らは何の特殊能力もないが、街で起こるコスプレをした奇人や超自然的な力を持つ悪党、残虐過ぎる異常犯などを相手にするのだ…。
刑事たちからすればバットマンすらいつ悪事を働くかわからない怪しい存在。その視点が、読者にも共有されるという珍しいアメコミ作品と言える。
ザバのゴッサム市警とバットマンの関係性はこの作品に非常に近い。バットマンの視点ではなく、警察側の視点も考えて映画を観ると、違うものが見えるかもしれない。
また、ザバのスピンオフとして本シリーズに近いテイストでゴッサム市警が主役となるドラマが制作されるらしい。これは非常に楽しみだ。
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今回お話に上げた4作以外にも映画公開のタイミングに先駆けて邦訳された『バットマン:エゴ』と『バットマン:インポスター』は映画に関連している作品と思える。前者は監督自身がインスピレーションを受けた作品であるとインタビューで語っており、後者は映画制作中に刊行され、“現実にバットマンがいたら?”という近いテーマを扱っている作品だ。
この2作はまだ私が読んでいる途中なので、また読み終わったら感想を書きたい。
来週公開の『ザ・バットマン』。私は2回目を観に行く予定です。バットマン好き必見の作品です!
以上