《シャン・チーを語る》“テン・リングスの伝説”って結局何を言ってたの?
コイツら、映画内で伝説的なことホントにしてたっけ?
紋章かっこいいから、バンダナ欲しかった…泣
MCUフェーズ4の始まりと言える記念すべき作品『シャン・チー : テン・リングスの伝説』。
単独作としても完成度が高いが、これまでの色んな作品(Dr.ストレンジ、インクレディブル・ハルク、アイアンマン・シリーズ、ブラック・ウィドウなど)との関連性を含んだ、ある種の“MCUらしい”作品でもあった。
そんな中、私が気になったのは副題の“テン・リングスの伝説”。原題の方でも“Legend of Ten Rings ”なので、日本側の訳は意味まんま。でも今作、明確に何がテン・リングスにとっての伝説なのかわからなかった。
そりゃ副題の意味の深追いなんて、大きなお世話かもしれない。
しかし、気になって仕方なく、毎晩毎晩悩み過ぎて寝れない…というわけではないが、少し気になったので色々考えてみた。
※今回も映画のネタバレ注意です。
①ウェンウーの無双時代が伝説だった説
冒頭でシャン・チーの母イン・リーから語られる“テン・リングス”のお話。
ウェンウーが何世紀も生き続けて、すべてを欲しいままにしたという、まさに伝説なお話なわけで、そんじゃそこらのお父さんの武勇伝とはケタが違う。「おれの若い頃なんて…」などとウェンウーの前で話してしまえばたちまち八つ裂きだろう。
これ割と有力候補なんじゃないか。そりゃシャン・チーが直接絡んでるわけではないけど、“伝説”の中の“伝説”じゃないの。
②ウェンウーとイン・リーの出逢いこそが伝説だった説
最強の武器テン・リングスを扱う犯罪組織のリーダー ウェンウーと神話の村“ター・ロー”の守護者だったイン・リーが出逢い、恋に落ちたという、ある意味ロミオ&ジュリエットなストーリーこそが伝説なんじゃないか。
いずれ伝説の戦士シャン・チーを生むことになるという凄いこともなし得ている。これもなくはない。
③テン・リングス&ター・ローの決戦こそが伝説だった説
ラストの神話の村ター・ローが世界的な犯罪組織テン・リングスによって進軍され、その姿をあらわにした。そして、魔法動物や不思議な武術を扱う彼らの村が、大昔から人類を脅かす魔物たちを封印し、守っていたことが明かされる。
最初争ったものの、最後には魔物を倒すためにター・ローの人々とテン・リングスが手を組み、魔物たちを倒すことに成功した。この出来事が伝説なのではないか。でも、そう捉えると、この戦いでテン・リングスはそんなに活躍してはいないし、どちらかというとター・ローの村の人たちの伝説っぽい…?
④やはりシャン・チーへのテン・リングス継承が伝説だった説
これが本命だろう。
強力な武器であるテン・リングスを使いこなした犯罪組織テン・リングスのリーダーであるウェンウーから、その息子であるシャン・チーへと武器の方のテン・リングスは引き継がれ、組織の方のテン・リングスは妹のシャーリンが覇権を握った。
武器の方の継承では、見事に魔物を倒す英雄としてシャン・チーが覚醒した転換点であり、これは英雄譚=伝説と言えるだろう。
原作では全く関係ないので、シャン・チーはテン・リングスなんて使わない…
一通り考えてみて思ったのは、副題で言っている“伝説”なのは、組織としての“テン・リングス”って言うのではあまりなさそうってこと。
どちらかというと血統として母の一族である摩訶不思議な力のター・ローと、名声を手に入れた最強の父の力を受け継いだシャン・チーのオリジンこそが“テン・リングス"の伝説だったのではないか。
これについては、公式の見解も聞きたい。
めんどくさいやつですいません💦
以上、駄話でした。
《アメコミを語ろう》映画『シャン・チー : テン・リングスの伝説』の感想と“シャン・チーとアイアン・フィスト“
MARVEL界の拳法の達人2人について
『シャン・チー : テン・リングスの伝説』を観てきたので、ネタバレ感想&MARVELの2大拳法マスターであるシャン・チーとアイアン・フィストについてのお話。
映画ヒットのシャン・チーとドラマで活躍アイアン・フィスト
映画のネタバレ、大いにありです。以下、注意。
①『シャン・チー : テン・リングスの伝説』の感想
凄く面白かったです!本作を一言で言うと、“スピーディなカンフーアクションと家族の話を大いに含んだ、ドラゴンボール”。
また今回もぶっ飛んだ世界観の作品が出てきたなぁという感じです。まず“シャン・チー”というキャラクターについては、オリジンとか設定程度しか知らなかったので、ある程度原作を調べたり、読んだりしから劇場に足を運びました。
結果的には、予習の意味ほぼなし!
全く違う世界観、全く知らない登場人物たち、良い意味で予習をさせないストーリーだった。
ヴィラン好きとしては、今作に登場したヴィランたちはみんな好きになった。
まずメインヴィランであるウェン・ウーは意外にも感情移入しやすいキルモンガータイプのヴィラン。
権力に溺れた過去を捨て、家族第一のベストファーザーになったにも関わらず、妻を失いまたもや闇堕ちしてしまう。
よくよく考えるとこういう経緯のヴィランはMCUにはいなかったなぁ…。
レーザーフィストさんの自分の車にでかでかと“RASOR FIST”って書いちゃう辺り可愛いですねぇ。
デス・ディーラーはあの強キャラ感で呆気なくやられちゃう感じ、SWの某賞金稼ぎを彷彿とさせましたなぁ。みんな好き。デス・ディーラーのビジュアルホント好みだった。
そして、また異次元の村が出てきたり、見たことない魔物どもが出てきて、自警団系キャラかと思いきや、Dr.ストレンジ系のキャラであることがわかったシャン・チー。
今後どうMCUで活躍していくのか非常に楽しみ。
昔懐かしのキャラ集合の中にいたシャン・チー氏。この時のコミックの絵は顔がほぼブルース・リーw
②シャン・チーとアイアン・フィスト
そして私は映画を観ながら、アイアン・フィストに想いを馳せていました。
登場時期は同じカンフー・ブームのころであり、同じ拳法を武器としたヒーローで、オリジンの起源はアジアで、なおかつストリート系の自警団という結構似た経緯のヒーロー同士なんですよね。ビジュアルの強さたまらんですねぇ。
正直、アイアン・フィストがNetflixでディフェンダーズ系のヒーローとしてドラマが作られた後、シャン・チーもドラマで登場させるのではないか、と思っていました。
というのも、あまり知名度の高いキャラではなく、近年の派手派手な作品の多いMCUの中では、あまり映画向きとは思えなかったのです。どちらかと言えば、拳が光って壁とかを平気で壊しちゃうアイアン・フィストの方が映画映えな感じがしますよねぇ。
しかもドラゴンから力を得ているわけだから!リアル路線の多い、ディフェンダーズ系メンバーの中では随一ぶっ飛んでました。なんて、思ってたらまさかのシャン・チー映画化w
しかもアイアン・フィストはS2で打ち切りという、個人的にはキャラの大逆転のように感じてしまいました。
実際、公開された映画では特殊な力を使う秘境が出てくることや、ドラゴンが出てきたり、とアイアン・フィストに近いような要素がふんだんに使われており、直近でアイアン・フィストS2を観ていた私的には、アイアン・フィストを映画にしても同じような世界観が観れた気がするなぁなどと思ってました。
結果的に、大成功を収めているシャン・チー。
同じ系統の類友なダニーくんがシャン・チーの続編に出てもおかしくはないと、思っています。(権利も戻ってきてますしね)毎度絵は下手ですが、想像図。
今後、フィン・ジョーンズさんのアイアンフィストがまた観れること、シム・リウさんのシャン・チーが自警団系としてニューヨークなどで活躍する姿が観れることを祈って今日も寝床に着くわけです、、今のMCUに不可能はなさそうだし。
がんばれ、ケヴィン・ファイギ。オタクたちの夢を背負って直走って。
以上、駄話でした。
《DCイチ可愛いヴィラン!!》DCEUにおける“ハーレイ・トリロジー”を語ろう
サイテー彼氏と悪虐を尽くし、破局後に自立し、芯を持った一人の“悪党《アンチヒロイン》”になるまで
2016年,2020年の映画でのハーレイ・クインの衣装《画像:“DC展 ヒーローの誕生”の展示》
コミック界隈の数多の女性ヴィランの中でも、一番の人気を誇るのは紛れもなくハーレイ・クインだと思う。
ジョーカーのサイドキック的役割を担うキャラとして元々アニメ・シリーズで登場して、その後コミックに逆輸入されてからは、スーサイド・スクワッドに参加したり、バットマンの協力者的ポジションになったり(一時的と言えど)、ヒーロー側のキャラ認定もされてりと、ジョーカーから自立した いちキャラとして確固たる位置を定着させたと言える。
そんなハーレイは、DCコミックスの映画シリーズDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)でも人気を博し、ヴィラン側としては珍しく3作品に登場している。
そして今回、ハーレイの登場3作品を勝手に“ハーレイ・トリロジー”と命名し、彼女が映画の中でどんなキャラとして登場し、どう変わっていったのかを独断と偏見で見ていく。やっぱこの衣装の印象強い…《画像:“プライム1スタジオ ギャラリーショップ”》
各映画のストーリーに触れるようなネタバレもあります。以下、作品のネタバレに注意です…。
- サイテー彼氏と悪虐を尽くし、破局後に自立し、芯を持った一人の“悪党《アンチヒロイン》”になるまで
- スーサイド・スクワッド(2016年公開)
- ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PLAY(2020年公開)
- ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021年公開)
- “ハーレイ・トリロジー”におけるキャラクターとしての一本の軸
- 今後のハーレイ・クイン
スーサイド・スクワッド(2016年公開)
初登場は今作。
ジョーカーの右腕として悪事を行いまくり、宿敵バットマンに捕まったことから、ベルレーブ刑務所に収監されているところから始まる。
減刑と引き換えに危険すぎる任務を強制参加させられる部隊“タスクフォースX”(スーサイド・スクワッド)に参加する。
今作でのハーレイはビジュアルはサイコーなのにオツムが狂っている要注意人物として刑務所内でも危険視されていて、看守5人を病院送りにしたというセリフも出てくる。
そんな彼女は彼氏のジョーカー(プリンちゃん)にゾッコンであり、ジョーカーもハーレイを脱獄させるために必死です。(ジョーカーがそういうシーンしか描かれないのでイマイチ ジョーカーらしくないけど)
ここではハーレイのオリジンも描かれ、彼女が元々精神病院でジョーカーの担当医であったこと、段々と彼に惚れ込んでしまったことなどが語られる。
そしてジョーカーによる、バットマンの相棒ロビンの殺害に加担していたことも明言されていた。
ハーレイは任務中も他のメンバーを茶化したり、ショーウィンドウに並ぶバッグを盗んだり、突然逃亡を図ったりと反省なしの悪党ぶりを披露。チームワークを無視したヴィランらしいヴィランだった。
最終的には他メンバーと共に正義に目覚め(?)、世界を滅ぼそうとする魔女と戦った。終盤には自身の力で自分の子供を殺してしまったことを自白したエル・ディアブロに対し、「自分が悪党であることを背負え」というようなことを述べて、悪い行いをしてしまえば取り返しがつかない、ということを激昂する。これには自身のことも言っていると思われる。
しかしながら、基本的にはジョーカーにのぼせていて、子どものような無邪気さとジョーカーと同様の暴力性を持ったキャラクターだった。
この時のハーレイはこんな感じ。
- プリンちゃんLOVE♡
- 無邪気で可愛いけど、暴力的
- そこそこ強いコギャル
ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PLAY(2020年公開)
登場2作目。
前述のスーサイド・スクワッドのスピンオフ的な立ち位置であり、なおかつハーレイの単独作のような作品(現代は“Birds of Prey”が主題にくるので実際はビミョーなところではある笑)。
今作のハーレイはジョーカーと破局し、ヤケクソになっていたことからギャングのボスであるブラックマスクの狙うダイヤに関わってしまい、DCEU初の女性だけのチーム“バーズ・オブ・プレイ”になる面々とチームアップする。
この時期のハーレイの特徴は、ジョーカーから独立した一人の悪党として、信念やアイデンティティを持ったというところ。そして過去の経験から、女性や弱者を抑圧しようとする男性に対して敵意をみせるようになった。
これには製作に、演じているマーゴット・ロビーも参加して、ハーレイが持つキャラクターの深掘りを行ってくれたおかげもある。
この時のハーレイはこんな感じ。
- ジョーカーと別れて、少し引きずってる
- 抑圧しようとする男性ムカつく
- やっぱジョーカー許せん。
ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021年公開)
トリロジー完結。
今作は、2016年のスースクが駄作という評価を受けた後、続編ではなく、仕切り直しの全面リブートという形で製作された。
しかし、実際封切られた作品は、全くのリブート作品というわけではなく、2016年版の話が明言されるわけではないが、一部キャラの関係性などからストーリーの繋がりが見受けられた。
そのため、私個人は続編と捉えています。
今作のハーレイは、のっけから仲間が大量に死ぬ戦線を潜り抜け、潜入した国のリーダーと愛を育むことになる。
しかし、そのリーダーは、女子供を無惨に殺し、国を牛耳る独裁者思想の男だった。ハーレイはそれが分かると、すぐさま彼を射殺したのだ。その後、包囲網を抜け出したハーレイは別働隊として動いていたブラッドスポートらチームBと合流し、仲間を助けたり、怪物スターロから民間人を救うために、いの一番に動いたりと、ヒーロー的側面が強いキャラになっていった。
これらの彼女の行動には前2作品の動向が関わってくる。
ハーレイは、2016年版の際に少年だったバットマンの相棒であるロビン殺害に加担した。その後、スースクメンバーと出会い、世界を救う。
この時に、前述のように彼女はロビン殺害に関して自責の念を匂わせる発言をしていた。“悪党である自身”について悩みを抱えていたのだろう。
また、バーズオブプレイでは、女性や弱者を抑圧するような存在を憎む行動を取るようになっていた。
これらの行動から彼女のキャラクター像が変化していっていることが伺える。
この頃のハーレイはこんな感じ。
- 女子供に手を出すやつ許さん
- 仲間なら助け合い
- ユーモアは忘れない。
“ハーレイ・トリロジー”におけるキャラクターとしての一本の軸
1作目で、悪党という同種でありながら信念のある仲間を得て、自分の行動に悩む。
2作目では、女性や子どもなどに悪事を働く者を討伐する。
そして3作目で犯罪者というレッテルはありつつ、その中でも自身が張っている一線を超えた人間に容赦をしない信念を持ったアンチヒロイン的存在へと生まれ変わった。
これら3作は、紛れもなくハーレイ・クインというアンチヒロインの誕生譚だったわけだ。
また、アクションシーンも回を追うごとにキレッキレになっていき、3作目ではマシンガンや槍を駆使した見せ場をカッコよく立ち回った。
細部までハーレイらしさが伝わる愛銃《画像:“DC展 ヒーローの誕生”の展示》
今後のハーレイ・クイン
バーズオブプレイ、新スースクの2本を一気に演じたハーレイ役のマーゴット・ロビーは、当分ハーレイとして休暇を取りたいと発言していたことから、当分はハーレイのスクリーンへの復帰はない可能性がある。
しかし、いまやDCの看板を背負ういちキャラクターとなった彼女がこのまま退場というのは考えにくい。
実際、ジョーカーとは切り離されたキャラクターとなったことで、今後予定されているバーズオブプレイのスピンオフドラマ「ブラック・キャナリー」やバットマンの仲間である女性キャラを描いた「バットガール」など、登場してもおかしくはない作品は多々予定されている。
今後もきっとどこかのタイミングでまたハーレイに会えることを祈りましょう。
以上。駄話でした。
《アメコミ購入お考えの方へ!!》2021年8月新刊の邦訳アメコミ紹介【MARVEL編】
ドラマや映画の原作から、話題になった悪党たちのケイパーコメディまで
㊗️シャン・チー単独作、初邦訳刊行!!
『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』の予告が公開されて、アメコミ界隈の話題を掻っ攫って行きましたね笑
噂がされていたDr.オクトパスがお目見えしたり、グリーン・ゴブリンのボムやエレクトロらしき稲妻、サンドマンらしき砂嵐が出ていたので、幼少期にライミ版、学生時代にアメスパを観ていた私には超感動でしたw
さて、話は逸れましたが、2021年8月新刊邦訳アメコミ3冊の感想です。今回は絶賛配信中の『ホワット・イフ…?』や公開直前の『シャン・チー:テン・リングスの伝説』の原作本、そして今年2月ごろに邦訳が刊行されていた『スーペリア・フォーズ・オブ・スパイダーマン:嘘つきは泥棒(ヴィラン)のはじまり』の続編、の3冊です。
どれも非常にタイムリーな作品ですよね。
毎度この刊行タイミングのバッチリさには感謝しております🙏
購入をお考えの方は参考にしていただけるとこれ幸い。
※以下、内容の確信に触れるようなネタバレはありませんが、登場キャラクターや一部あらすじについて記載しております。未読の方で一切の情報を入れずに購入をお考えの方はお気をつけ下さい。
①『スーペリア・フォーズ・オブ・スパイダーマン:盗人(ヴィラン)にも三分の理』
表紙も、5人だけだった1巻から、キャラがボリュームアップ!!
弱小ヴィランたちの日常が垣間見える傑作コメディの2巻。冒頭はチームの紅一点で謎が多かったビートル(2代目)の過去が描かれます。1巻ラストで発覚した彼女の父親との幼少期の小悪党ぶりがコミカルで面白いです。
そして、彼女がビートルになるまでが描かれる中で、ジモまでが絡んでくるという、スパイダーマン系に留まらないヴィランの多さには、ヴィラン好きにとっては、とても有難い。
そして本編。
チームを裏切ったリーダーのブーメランがまた二重三重の裏切り行為を行って、ブルズアイに狙われるのですが、そこでのブーメランのカッコいいじゃん…と思いきやの情けない姿が笑えましたw
本巻は、割と中頃からまた番外編が入ります。メンバーの若手でナノテク担当オーバードライブと最速の逃げ足スピードデーモンが、今までどんな相手と戦ったのかという話や、1巻でも登場した よくアメリカの映画とかで見る集団カウンセリングみたいなヴィランの集いのお話が描かれます。
そこが結構コミカルなんですけど、最後のヴィランの集いに参加していた“ルーター”というヴィランのお話で、スパイダーマンが残虐な別人に変わってしまった(中身はドクオクな訳なので)…という、このシリーズの今後のストーリーの確信に触れる(?)ようなストーリーが展開されるのです。
ここら辺は、せっかくスーペリア・スパイダーマン期での出来事なので、ストーリーの中核で今後関連していって欲しいですね!!
3巻ワクワク!!悪役とは思えない情け無顔をするショッカーが可愛い
②『ホワット・イフ? side B』
今回も良作勢揃い!!個人的に“SIDE A”より好きかも…
絶賛放映中のDisney+のドラマ『ホワット・イフ…?』の原作2巻目。今回は、6話収録されています。
『もしもソーがフロスト・ジャイアントに育てられていたら?』
ソーとロキの関係を改めて見返すことが出来る感動作です。ロキの義母フリッガへの愛は別世界線でも変わりません泣
『もしもマジックが至高の魔術師になったら?』
Dr.ストレンジが、思春期でやさぐれてるマジックことイリアナを鍛える話。想像以上に良い師弟関係じゃないのw
『もしもマーベル・コミックスがメタルと化したら? feat.ゴーストライダー』
主役は車のゴーストライダー ロビー君。マーベルでインターンとして働くロビー君の元にコミックで黒魔術を行うヘビメタバンドがやってくる話。あらすじだけでもぶっ飛んでる笑
『もしもスパイダーマンに娘がいたら?』
スパイディ総出演のイベント“スパイダーバース”でも登場したスパイダーガールのメイ・パーカーが初登場。父の代から続くグリーン・ゴブリンとの因縁がオリジンとなる、っていう設定が面白いです。
『もしもヴェノムがパニッシャーに結合していたら?』
アンチヒーロー×アンチヒーローという、混ぜるなキケン!なヤバキャラ誕生。スパイダーマン、デアデビル、ムーンナイト、とパニッシャー関連の自警団が続々登場するのも見所です!
『もしも初期マーベル編集部がファンタスティック・フォーになったら?』
個人的に1番ぶっ飛んでると思う話。タイトルまんまのお話で、スタン・リーやジャック・カービーが楽しんで作ってるのが伝わってきます。当時の編集部の面々は読者にも定着していたんですかね…。スタン・リーのMr.ファンタスティックとジャック・カービーのシング。スタンは面影あるなww
今回は特に、フロストジャイアントのソーの話とスパイダーガールが面白かったです。
『What If...?』ってシリーズまだまだあると思うので、続き出して欲しいですねぇ…。
③『シャン・チー:ブラザーズ・アンド・シスターズ』
今までのアメコミのカバーにはなかった“和”と“武”の渋さ、紙質にもこだわりを感じます!!
シャン・チーってもう少し暑苦しい感じの顔(ブルース・リーそっくりなのは置いといても)のイメージだったんですけど、今作の彼は柔らかな好青年の顔。
MCU版のシム・リウさんともまた違う感じでした。結構若い…?
内容面ですが、今作はすでに悪の組織(テン・リングスではないですよ)の統領である父ゼン・ズー(マンダリンではないですよ)が既に他界しているところから始まるので、そこは少し唐突に感じましたが、基本的には予備知識なく単発のお話として楽しめました。というのも今作の解説書は、作品解説がボリューミー。
最近の邦訳本の作品解説欄は1ページに満たないものもあるんですが、今作はシャン・チー初の邦訳版ということもあり、非常に読み応えアリです!!
また、キャラクターも個性的で、シャン・チーと行動を共にする刀使いの大男ブラザー・セイバーとダガー使いの小柄な女性シスター・ダガーも映画に出てほしいと思える、魅力ある戦士たちです。
あとは妹であるシスター・ハンマー。
映画の予告で見た妹とは全く違う笑笑(イメージは下の絵)ただ、強烈なビジュアルなのは確かです!(調べたら名前も違いました…笑)スキンヘッドでマッチョな強烈妹“シスター・ハンマー”
本作は読切ではあるのですが、シャン・チーの作品が今後もっと邦訳されると嬉しいです。
今回は、2021年8月新刊の邦訳アメコミ3冊(MARVEL)を紹介しました!どれも読み応えが抜群でした。購入を考える参考にしていただけたら幸いです!
以上
《映画駄話(第3回)》ポストクレジットにまつわる小話
映画のポストクレジットは、時として、初見さんに優しくない。
シリーズものを前提として制作された映画の最後には、“ポストクレジット”という、次回作の予告や今後の展望を予期させるクリフハンガー的なシーンが挿入されることがある。
マーベル映画、いわゆるMCUがこの手法を毎度取るようになったことから、近年のビッグバジェット映画などでは多く散見される。
しかし、ポストクレジットは、時として初見さんには優しくないことがある。アメコミなどの原作があるものでは、映画初登場だけど原作では有名なキャラが唐突に出たりする、分かる人にはわかりますよっというようなシーンだ。
今回はワタシが遭遇した“ポストクレジット”にまつわる小話を3つほど紹介したい。
ちなみに、各映画のポストクレジットについて言及するため、物語の核心に触れるようなネタバレもあります。以下、作品のネタバレに注意です…。
1.X-MEN : フューチャー&パスト(2014年公開)
2000年からはじまったX-MENシリーズは3作目『X-MEN : ファイナル・ディシジョン』(以降FD)で1度(無理矢理のように)終わらされてしまった。
それからも人気キャラ ウルヴァリンの単独作などを公開し、遂に2011年にメインシリーズでは老人である良い者のリーダー プロフェッサーXや悪者のリーダー マグニートたちの壮絶でダイナミックな過去が描かれた『X-MEN : ファースト・ジェネレーション』(以降FG)が公開され、人気を取り戻した。
そして、メインシリーズ(1,2,FD)と過去(FG)を繋ぐ作品として、『X-MEN : フューチャー&パスト』(以降F&P)が公開された。超能力を持つ人類ミュータントが排除されるディストピアとなった未来を変えるため、ウルヴァリンがFGの数年後の時代に行き、過去を冒険する話。
ウルヴァリンが若きプロフェッサーXたちと共演している絵面が観れるだけでファンは歓喜したものだが、この映画自体が初見さんにはだいぶ難しかったのではないだろうか。
未来と過去の話が入り混じり、キャラの関係もだいぶ複雑。しかし、問題はエンドロール後のポストクレジットにあった…。
今作のポストクレジットは、次回作『X-MEN : アポカリプス』に繋がるシーンになっていて、エジプトで生まれた世界最古のミュータントで、メインの敵となるアポカリプスが、その能力でピラミッドを建てているものだった。
アポカリプスは見た目が青い肌で、コミックでも青い肌をしており、X-MENでエジプトと言えば!といえるキャラなので、アメコミファンには、アポちゃん出るのかぁ…と言った感想が出る。
とある友人がF&Pを鑑賞し、ワタシに質問をしてきた。
友「X-MENの新作面白かった」
私「ラストとかアツいよね」
友「ラストのアレ、誰だったの」
友「それは分かってる!」
私「あ、そうよね笑」
友「エンドロールの後のあれ…
なんで砂漠にアバター出てきたの?」
私「…。」
確かに青い肌だしアバターって言われてもしょうがないよな、説明ないし笑
…と心の中で思ってしまった。アメコミを知らない人には伝わらない。
ワタシは彼に簡単にアポカリプスについて説明をしたが、彼がイマイチ納得していない顔をしていたのを今も覚えている。
2.ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー : リミックス(2017年公開)
※『アベンジャーズ:インフィニティ・ウォー』のネタバレにも注意!!
この映画のポストクレジットも分からない人には分からないっ!
MCUでは節目となるラスボス サノスへの戦いに向かっていく中、その作品群の中でも一番サノスに近いチームが『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』(以降GotG)だった。今作のポストクレジットは、今作の敵の1人が打倒GotGのために“アダム”と呼ばれる存在を生み出すシーンだった。唐突でいかにも今後 GotGメンバーを倒すキャラクターになりそうな雰囲気だった。
原作コミックでもアダムは存在している。"アダム・ウォーロック"という名前で、科学者組織によって作られた地球侵略のために人造人間でしたが、脱走しヒーローサイドの存在になるキャラクターです。悪の目的で作られた人造人間である、という点で映画版と同じですね。彼のコミックのオリジンからして、敵サイドを裏切ってGotGに合流するなどの展開も今後あるかもです…。
そして原作のアダムを語る上で欠かせない話というのが、彼が映画『インフィニティ・ウォー』(以降IW)の原作となった『インフィニティ・ガントレット』においてヒーローサイドの対サノスの切り札となっているということです。『GotG:リミックス』のポストクレジットで彼の存在が言及された際のオタクたちの喚起具合はエグいものでした笑
確実にIWにて、サノスとの闘いで彼が活躍することが予想されました。
そして、『GotG:リミックス』を一緒に観た友人は私に聞いたのです…。
友「アダムって次の敵かな…」
私「いや、原作だと味方になるんだよね」
友「そうなの?」
私「しかも、アベンジャーズと協力して、サノス倒すよ。」
友「マジ!?ネタバレじゃん!!」
私「次のインフィニティ・ウォーに絶対出るわ。誰が演じるんだろ。」
友「重要なキャラだもんなぁ…スライもGotGに出たし、シュワじゃね?」
私「あり得る…。マジでインフィニティ・ウォー楽しみだわぁ」
友「だなぁ…。」
結果、『アベンジャーズ:IW』には、アダムは登場しなかった。
その続編、『アベンジャーズ:エンドゲーム』でも然り。理由は、唐突なキャラクターが登場して、ラスボスを倒すような展開より、既存のキャラクターを掘り下げ、彼らにサノスを倒させるべきであるという判断からであるらしい。
非常に賢明な判断だ笑
ただ、私が友人に合わせる顔がなかったことは言うまでもないだろう。
3.ジャスティス・リーグ(2017年公開)
最後に紹介するのは、バットマン、ワンダーウーマンらDCコミックスのスーパーヒーローが集結した『ジャスティス・リーグ』。
スナイダー監督からウェドン監督への監督交代劇により、当初の構想とことなる形となり、興行的にも評価的にも失敗作と言われてしまっている。(私は個人的には公開当時興奮したし、割かし好きなのだが笑)
そして、そして…のちに『スナイダー・カット』という当初の構想に沿ったバージョンが公開されることで話題を再熱させた作品でもある。(約4時間という驚異の長尺w)
そんな今作は、MCU同様にポストクレジットを用意していた。しかもDCEUで初の2つ!!
1つ目はDCの最速番長フラッシュとオールマイティな超人スーパーマンがスピード競争をするという、コミックオマージュな1コマ。ウェドン監督版らしいコミカルなシーンでとても良かった。
2つ目は、DCEUの3作前の『バットマンvsスーパーマン : ジャスティスの誕生』にて、逮捕されたスーパーマンの宿敵レックス・ルーサーが脱獄し、クルーズ船でとあるヴィランと会話をし、ジャスティス・リーグに対抗する悪の同盟を組もうと話を持ち掛けるシーンだった。そのヴィランというのが、コミックやドラマ等でバットマンやその他ヒーローと戦った経験を持つ凄腕の傭兵"デスストローク"。二刀流の日本刀に全身アーマーを着込んだ見た目が非常にカッコいいキャラだ。
毎度の如く、友人は本作を鑑賞後に私に質問をした。
友「ラストやばくね?」
私「そうだな、次のジャスティス・リーグは善の同盟VS悪の同盟だな。」
友「ってか、デッドプールって中の人違かったけど、権利の関係?」
私「…。」
変なところ察しが良くて、察しが悪い。
実はデスストロークは、MARVELイチ人気のキャラ、デッドプールの元ネタなのだ。二刀流の日本刀を背負ってた傭兵で本名も非常に似ている。まぁデッドプールと間違ってもおかしくはない。
そして、このレックス・ルーサーとデスストロークの同盟の話も、本作が不作に終わったことにより消えてしまい、デスストロークがメインヴィランに予定されていたバットマンの単独作が消え、レックス・ルーサーも出番を失い、ジェシー・アイゼンバーグのハゲ損となってしまった。
色々な意味で、今観ると切なくなるポストクレジットだ。
今回は、非常に私的な駄話でした。
アメコミ系とかの映画を観にくと、ポストクレジットのサプライズが毎回楽しみなのですが、私は、原作などをあまり詳しくない友人たちのポストクレジットの反応を聞くのも楽しみにしています。
同じようにポストクレジットに関連した小話がある人がいたら色々聞いてみたいですね笑
以上、駄話でした。
《アメコミ・ジャーナル(第3回)》『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』ネタバレ感想
アメコミ映画の概念を壊した、笑える!泣ける!興奮する!DCEU最強の傑作!!
あらゆるビッグバジェット系映画やアメコミ作品の公開が決まっていく中、ここ2年くらいの私の1番楽しみな映画は揺るがなかった…。それが『ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結』だった。
私はIMAX先行試写会で観ることができたので、公開前の7月下旬に観てきました!
先に感想を言ってしまえば、期待を超えた最高傑作!!
特に私が気に入った5つのポイントについて、ネタバレ ゴリゴリで語っていきます!!
1.キャラクター達の描き方が最高っ‼︎
クセのある負け犬ヴィランばかりを集めた今作は、正直、奇人変人の巣窟。
メインを張るチームBのメンツだけを見ても、平和の為なら絶対殺すマンのブリーフマッチョのピースメーカー、どこでも寝るゆとり世代なラットキャッチャーⅡ、母親の幻影に取り憑かれた水玉陰キャのポルカドットマン、愛くるしい殺人マシン キングシャーク、そして、イケてるツッコミ役のブラッドスポート。
でもそれぞれが悩みを抱えてたり、支え合うようになったりと、ドラマ性がしっかりあって、その中でのキャラのやりとりが非常に心打ちました。
個人的にラットキャッチャーⅡとキングシャークの2人の関係に惹かれました。
ラットキャッチャーⅡは、割と物おじしない性格で、凄腕暗殺者や水玉模様のオジサンにも心を開き、彼らも彼女に心を開いていました。
中でも彼女との関係が色濃く映ったのがキングシャークことナナウエ。化け物扱いを受け、友達なんていなかったナナウエが、彼女の「友達も食べるの?」って言葉を機に、彼が“トモダチ”を意識し始めて、カラフルな海中生物と戯れたりして、裏切られて、ラストにはラットキャッチャーⅡと抱き合う姿!!もうナミダ必死です!!
他にもチームAの面々もわずか20分もない(下手したら10分くらい…)の登場にも関わらず、みんな相当なインパクトを残してました。
それぞれのキャラを登場早々に殺すのだから、ガン監督も花を持たせる気持ちで死亡シーンを描いていました。
特にT.D.K最高でしたネ。
私は前作の『スーサイド・スクワッド』(2016年公開)からブーマーことキャプテン・ブーメランが大大大好きなので、正直彼がこのメンツに並んでるのを知った瞬間から「絶対死ぬやん…」って思っていただけあって、わずか数分の登場で、華麗なブーメランさばきで兵士を切り殺し、ハーレイとの仲良しさが見れたので大満足でした。(悲しいけど…泣)
『ガーディアンズ・オブ・ザ・ギャラクシー』(2014年公開)で負け犬集団が銀河を守る姿を描いていたのと同様、一見ヘンな奴らが力を合わせて争う姿は胸熱。さすがガン監督w
クセの強いキャラ達の中でもカッコ良さとクレイジーさが輝いていたブラッドスポートとピースメーカー《画像:“DC展 ヒーローの誕生”の展示》
2.B級臭いストーリーが最高っ‼︎
この映画の魅力はキャラクターだけではなく、やはりストーリーも。
目まぐるしい展開は多いものの、良い意味で「この映画長いなぁ」と感じさせられました。
というのも、今作はいろんなジャンル映画の要素がモリモリだからだと思います。序盤の海岸戦のシーンは、まさに戦争映画。監督も『プライベート・ライアン』をイメージしたと言ってました。
中盤のシンカーを誘拐するまでの流れはスパイもの。
そして、中盤のハーレイのパートはコミカルなシンデレラ・ストーリー(?)からの華やかな虐殺シーン。ラストは特撮ヒーローもののような怪獣バトル。ガン監督がやりたかったいろんな要素を詰め込んだのがすごい顕著でした。
特にガン監督が大好きだという70年代の戦争もの、ケイパーもの(チーム強奪系)の要素が色濃くストーリーなら反映されていた印象です。それらの要素が最大限に活かせるアメコミの題材なら、“スーサイド・スクワッド”がベストなのは今作を見れば言うまでもないだろう。
パンフレットに使われているこのビジュアルのB級感も素晴らしい。《画像:本作のパンフレット》
3.コメディポイントが最高っ‼︎
前述の通り、それぞれのキャラクターの掛け合いの面白さが今作の大きな魅力なのですが、馬鹿馬鹿しさが大半を占めていました。
序盤に野営をしているチームBのメンツ。キングシャークによる“ラットキャッチャーⅡ食事未遂事件”で目を覚ました面々のなかで、ブリーフ一丁のマッチョなピースメーカーがいるのがとてもシュールでした。マッチョっているだけで面白いんだよなぁ、と改めて実感。
他にもブラッドスポートとピースメーカーの愉快に殺人技を見せつけ合うシーン、バスの運転手ミルトンを巡る討論など、上げればキリがないっ!!
元々、コミックスでイジリの対象になるキャラが多いので、そこらへんもガン監督が最大限に面白く出来るメンバーを集めてることが分かります。
数あるDCヴィランの中から、本作の14人を選んだガン監督の物好き加減たるや《画像:コミックス“the Suicide Squad Case Files 1&2”》
4.前作との繋がりポイントが最高っ!!
今作は、2016年に公開したデヴィッド・エアー監督の『スーサイド・スクワッド』(以降、エアー版)との繋がりは公言していない。
もっと言えば、他のDCEU作品との繋がりをあえて排除して作っている。
それは、MCUに対抗して他作品との繋がりを意識し過ぎた初期DCEU作品群からの反省で、初見さんが見やすくするための戦略です。
ですが、エアー版を観ている人たちのためにしっかりとエアー版の出来事を匂わせるセリフや掛け合いが用意されていたのです。
例えば、ハーレイがミッションに出る為、ヘリに乗り込むシーンで、エアー版でチームメンバーだったキャプテン・ブーメラン(以降、ブーマー)と親しげにあだ名で呼び合うシーンがあったり、ハーレイが捕まっていた場所から脱走し、彼女を救出に来たフラッグ大佐と再会するシーンで半泣きで大佐とハグをして再会を噛み締めたり。
ハーレイを中心に、エアー版とは限らないものの、同じような出来事があり、3人が旧知の仲であることが知れるシーンが満載でした。
特に涙を誘ったのは、ラストの戦い後、生き残ったブラッドスポートとハーレイがフラッグ大佐について語るシーン。ハーレイがフラッグ大佐に対して、“昔からの仲”であると明言していて、エアー版でいがみ合っていた2人の関係性が変わっていたことが描かれていました。
もうここでエアー版を観に行った数年前の記憶が思い出され、泣きそうになりました。
こういうところに、エアー版を駄作などと言って切り捨てたりしないガン監督なりのエアー版を観た人へのファンサービス、いや映画ファンだからこその前作を無駄にしない精神の現れだと思っています!
ハーレイと前作組のフラッグ大佐、ブーマーの関係がちゃんと描いてくれて嬉しい泣《画像:“プライム1スタジオ ギャラリーショップ”》
5.今後のDCEUのことを考えると…もう最高っ‼︎
確かに他作品との繋がりを敢えて削ぎ落とした今作ですが、既にスピンオフドラマ『ピースメーカー』が決まっているわけで。
今作をキーに、今後実は他のキャラクターの登場やストーリーを描いてくれるのでは?という要素が伺えました。
例えば、マイケル・ルーカー演じる凄腕の自警団サバントは、コミックでは“バーズ・オブ・プレイ”というヒロインチームと関係があるキャラです。このチームの1人であるブラックキャナリーは、ドラマ化が決まっています。
彼女のドラマにサバントとの関わりが示唆されるシーンなどがあっても良いのでは…?などなど。
また、今作はDCEU作品で初めてR15で公開し、MCUでは手を出さないような作風でヒーロー映画の壁をぶち壊してくれました。
DCEU作品があらゆるジャンルにトライできる風穴を空ける役割を担ったことは明確ですし、今後そういった作品が作られていくと思います。そう考えるとコミックから実写化されそうなキャラたちはいっぱいいるので、とてもワクワクしてきます‼︎
DCらしさを発揮していってほしいっ!!
フラッシュとブーマーファンとして、この2人の再共演を楽しみにしてます!!《画像:funko POP!》
だいぶ熱量に物を言わせてつらつら書きました。まぁ、色々書いてきましたが、結局のところ私にとって今作が大好きになりました。
今作が好きだからこそ、今のところ続編は作って欲しくないかなぁ…。
あと、ハーレイとキャプテン・ブーメランについては、もっと色々と書きたかったことがあったのですが、物量が凄くなりそうなので、また別の機会に書こうと思います。
以上、駄話でした。
《映画駄話(第2回)》令和に観たい!! 僕らの90年代青春映画10選
絶妙なユルさと、王道なラブコメの詰まった素敵な青春映画たち
私は90年代生まれで、ちょうど『タイタニック』や『マトリックス』などの名作が誕生していた時代に幼少期を過ごした。
そういう意味で、潜在的にあの頃に公開していた映画などを観ると、別に当時実際に映画を観ていたわけでもないのに、あの90年代という、どうにも不安定でユルいようなトゲトゲしたような時代を思い出してしまう…。
という前置きでしたが!笑
個人的にリアルタイムでは観ていなかった90年代の映画(2000年頃の作品も含む)は、先述の2本のような名作を輩出しているものの、あまり映画業界では日の目を浴びていないように感じます!
特に青春映画。きっと好きな人も多いはず。
だって、ユル~いコミカルさや、ベタだけどキュンキュンするようなラブストーリーが詰まっているのだから!
そこで、今回は1990年代にかけて(一部2000年公開)公開された青春映画(洋画)たち10選を紹介します!!
1.シーズ・オール・ザット(1999年公開)
まず挙げたいのがこの作品。
90年代を代表する青春ラブコメ。
学園の人気者男子が、友人との賭けで学園一ダサいと言われている変人女子をプロムに誘うことになり、親しくなっていくことで彼女の内面を知っていき、尚且つ大胆イメチェンで美女化した彼女に惚れてしまう…という何とも王道展開!!
ダサいという設定で出てくるヒロインが割と最初からカワイイのが隠しきれてないのも個人的にはミソです笑
この映画で特に有名なのは、ヒロインがイメチェンして登場するシーン!
このときに流れるSixpence None the Richerの『Kiss Me』は誰でも聞いたことあるのでは…?この王道ラブコメ感が90年代青春映画っぽい!!
2.クルーレス(1995年公開)
オシャレ女子必見の一作。
ダサい女の子のイメチェンが大好きで、性悪なビバリーヒルズに住むセレブ女子高生シェールが、ある時から失敗続きになり、自分の人生を悔い改め、成長していく物語。
主演のアリシア・シルバーストーンが、凄く可愛い!けど性悪!というキャラクターに凄くハマっていた!
彼女のファッションも当時の女子たちのコーディネートの参考になったそうですよ。
また、主人公シェールのちょっとイケてない元義兄ジョシュを演じるのが、『アントマン』で有名なポール・ラッド。この映画の彼が凄く魅力的なのもチェックポイント!!
3.エンパイア・レコード(1995年公開)
買収寸前のレコードショップで起こる、問題児ばかりのバイトたちの青春劇。
一日で色んなことが起こり過ぎるドタバタ具合が、三谷幸喜監督ばりの寸劇感を感じさせます。
若者たちの中で繰り広げられる恋愛模様や悩みやぶつかり合いも描かれています。
レコードショップが舞台なので、90年代の音楽がふんだんに使われています。
キャスト陣には、リヴ・タイラーやレネー・ゼルウィガーが出演しています。
この頃のリヴ・タイラーのビジュアルが無敵すぎるww
4.待ちきれなくて…(1998年公開)
高校最後の卒業パーティーの夜。
いじめられっ子、バンドマン、人気者、各々の思惑が動く中、イケてない非モテ男子のプレストンが学園のマドンナとの、絵空事のような運命を信じて最後の大勝負に出る…。
これもまた王道ラブコメ。青春群像劇なので、いろんな人々の悩みなどが描かれる。
中でも、中心的キャラの一人、非モテ男子プレストンの恋模様は、負け戦すぎるのに突き進むその精神力に勇気づけられます笑
5.モール・ラッツ(1995年公開)
“Mallrats(モールをたむろする若者たち)”のタイトルの通り、カノジョにフラれた男子2人組が、ショッピングモールをぶらぶらし、知り合いと出会って、カノジョを取り戻すために一悶着起こす!絶妙なユルさがまさに90's!
不毛なグダグダ感とラストの爽快感にハマるが多いのでは!?笑笑
6.きっと忘れない(1994年公開)
『ホーム・アローン』のジョー・ペシと『ハムナプトラ』シリーズで有名なブレンダン・フレイザーが主演。ハーバード大に通う優秀な生徒達が、大学地下のボイラー室で生活するホームレスとの交流していく中で、成長していく姿を描く。
価値観や考え方が違う人と出逢って、感性が磨かれていくことの素晴らしさが詰まった映画です。
学生の間に観ておきたい一作!
7.学園天国(2000年公開)
学園のマドンナと付き合うために、冴えない主人公が、チャラ男のジェームズ・フランコーと幼馴染の恋を取り持つ羽目になるお話。
高嶺の華より、大切な人はそばにいる…的な、これまた結構王道なラブストーリーなんですが、それが良いんですよね!!
また、イケてる二人(学園のマドンナとフランコー)が序盤のイメージからガラッと変わって、弱み見せまくりになっていくところに学園カーストの綻びが見れます笑笑
8.ウェインズ・ワールド(1992年公開)
マイク・マイヤーズ主演のコメディ映画。
今回紹介する中では変わり種な作品です。今で言うYouTuberみたいに深夜に自作の深夜番組を放送している若者二人が、有名テレビ局からオファーを貰って、一躍セレブの仲間入りをしていく…?と言った話。冒頭の『ボヘミアン・ラプソディ』を聴きながら夜の街をドライブするシーンが凄く好きです。
9.リアリティ・バイツ(1994年公開)
"ジェネレーションX"と呼ばれる、60年代中盤〜70年終盤生まれの世代の、当時の若者たちが主人公の青春劇。ウィノナ・ライダー、イーサン・ホーク、ベン・スティラーらがメインキャストです。
自分の創作意欲を生かしきれない仕事、夢と現実の違いに葛藤する20代の、学生とはまた違った青春物語です。
現実主義な真面目男子とツンデレなバンドマン、そして悩める主人公というベタな三角関係も良い。
10.彼女と僕のいた場所(1995年公開)
大学卒業後に定職に就かず、ダラダラと毎日を浪費していく学生時代からの仲間たちの生活を描いた群像劇。学生時代を思い出しては、センチメンタルになったり、元カノを引きずったり、現実を考えなおしたり、悩みが盛り沢山。
なので、コメディ要素は少なめ。
学生を終え、社会人になった"元学生たち"に観てほしい。
ノスタルジックさも相まった、文学的な青春映画。
いかがだったでしょうか。
興味を惹く作品はありましたか。
少しでも、90年代の青春映画が気になった方や同じようにこの時代の映画が好きな方が増えてくれたら嬉しいです。
以上