日々、ちいさな世界の征服

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《DCイチ可愛いヴィラン!!》DCEUにおける“ハーレイ・トリロジー”を語ろう

サイテー彼氏と悪虐を尽くし、破局後に自立し、芯を持った一人の“悪党《アンチヒロイン》”になるまで

f:id:shikamarusan:20210904145438j:image2016年,2020年の映画でのハーレイ・クインの衣装《画像:“DC展 ヒーローの誕生”の展示》

コミック界隈の数多の女性ヴィランの中でも、一番の人気を誇るのは紛れもなくハーレイ・クインだと思う。

 

ジョーカーのサイドキック的役割を担うキャラとして元々アニメ・シリーズで登場して、その後コミックに逆輸入されてからは、スーサイド・スクワッドに参加したり、バットマンの協力者的ポジションになったり(一時的と言えど)、ヒーロー側のキャラ認定もされてりと、ジョーカーから自立した いちキャラとして確固たる位置を定着させたと言える。

 

そんなハーレイは、DCコミックスの映画シリーズDCEU(DCエクステンデッド・ユニバース)でも人気を博し、ヴィラン側としては珍しく3作品に登場している。

 

そして今回、ハーレイの登場3作品を勝手に“ハーレイ・トリロジー命名し、彼女が映画の中でどんなキャラとして登場し、どう変わっていったのかを独断と偏見で見ていく。f:id:shikamarusan:20210904201048j:imageやっぱこの衣装の印象強い…《画像:“プライム1スタジオ ギャラリーショップ”》

 

各映画のストーリーに触れるようなネタバレもあります。以下、作品のネタバレに注意です…。

 

スーサイド・スクワッド(2016年公開)

初登場は今作。

ジョーカーの右腕として悪事を行いまくり、宿敵バットマンに捕まったことから、ベルレーブ刑務所に収監されているところから始まる。

減刑と引き換えに危険すぎる任務を強制参加させられる部隊“タスクフォースX”(スーサイド・スクワッド)に参加する。

 

今作でのハーレイはビジュアルはサイコーなのにオツムが狂っている要注意人物として刑務所内でも危険視されていて、看守5人を病院送りにしたというセリフも出てくる。

 

そんな彼女は彼氏のジョーカー(プリンちゃん)にゾッコンであり、ジョーカーもハーレイを脱獄させるために必死です。(ジョーカーがそういうシーンしか描かれないのでイマイチ ジョーカーらしくないけど)

 

ここではハーレイのオリジンも描かれ、彼女が元々精神病院でジョーカーの担当医であったこと、段々と彼に惚れ込んでしまったことなどが語られる。

そしてジョーカーによる、バットマンの相棒ロビンの殺害に加担していたことも明言されていた。

 

ハーレイは任務中も他のメンバーを茶化したり、ショーウィンドウに並ぶバッグを盗んだり、突然逃亡を図ったりと反省なしの悪党ぶりを披露。チームワークを無視したヴィランらしいヴィランだった。

 

最終的には他メンバーと共に正義に目覚め(?)、世界を滅ぼそうとする魔女と戦った。終盤には自身の力で自分の子供を殺してしまったことを自白したエル・ディアブロに対し、「自分が悪党であることを背負え」というようなことを述べて、悪い行いをしてしまえば取り返しがつかない、ということを激昂する。これには自身のことも言っていると思われる。

しかしながら、基本的にはジョーカーにのぼせていて、子どものような無邪気さとジョーカーと同様の暴力性を持ったキャラクターだった。

この時のハーレイはこんな感じ。

  1. プリンちゃんLOVE♡
  2. 無邪気で可愛いけど、暴力的
  3. そこそこ強いコギャル

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ハーレイ・クインの華麗なる覚醒 BIRDS OF PLAY(2020年公開)

登場2作目。

前述のスーサイド・スクワッドのスピンオフ的な立ち位置であり、なおかつハーレイの単独作のような作品(現代は“Birds of Prey”が主題にくるので実際はビミョーなところではある笑)。

 

今作のハーレイはジョーカーと破局し、ヤケクソになっていたことからギャングのボスであるブラックマスクの狙うダイヤに関わってしまい、DCEU初の女性だけのチームバーズ・オブ・プレイになる面々とチームアップする。

 

この時期のハーレイの特徴は、ジョーカーから独立した一人の悪党として、信念アイデンティティを持ったというところ。そして過去の経験から、女性や弱者を抑圧しようとする男性に対して敵意をみせるようになった。

 

これには製作に、演じているマーゴット・ロビーも参加して、ハーレイが持つキャラクターの深掘りを行ってくれたおかげもある。

この時のハーレイはこんな感じ。

  1. ジョーカーと別れて、少し引きずってる
  2. 抑圧しようとする男性ムカつく
  3. やっぱジョーカー許せん。

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ザ・スーサイド・スクワッド “極”悪党、集結(2021年公開)

トリロジー完結。

今作は、2016年のスースクが駄作という評価を受けた後、続編ではなく、仕切り直しの全面リブートという形で製作された。

しかし、実際封切られた作品は、全くのリブート作品というわけではなく、2016年版の話が明言されるわけではないが、一部キャラの関係性などからストーリーの繋がりが見受けられた

そのため、私個人は続編と捉えています。

 

今作のハーレイは、のっけから仲間が大量に死ぬ戦線を潜り抜け、潜入した国のリーダーと愛を育むことになる。

しかし、そのリーダーは、女子供を無惨に殺し、国を牛耳る独裁者思想の男だった。ハーレイはそれが分かると、すぐさま彼を射殺したのだ。その後、包囲網を抜け出したハーレイは別働隊として動いていたブラッドスポートらチームBと合流し、仲間を助けたり、怪物スターロから民間人を救うために、いの一番に動いたりと、ヒーロー的側面が強いキャラになっていった。

 

これらの彼女の行動には前2作品の動向が関わってくる。

ハーレイは、2016年版の際に少年だったバットマンの相棒であるロビン殺害に加担した。その後、スースクメンバーと出会い、世界を救う。

この時に、前述のように彼女はロビン殺害に関して自責の念を匂わせる発言をしていた。“悪党である自身”について悩みを抱えていたのだろう。

 

また、バーズオブプレイでは、女性や弱者を抑圧するような存在を憎む行動を取るようになっていた。

これらの行動から彼女のキャラクター像が変化していっていることが伺える。

この頃のハーレイはこんな感じ。

  1. 女子供に手を出すやつ許さん
  2. 仲間なら助け合い
  3. ユーモアは忘れない。

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“ハーレイ・トリロジー”におけるキャラクターとしての一本の軸

1作目で、悪党という同種でありながら信念のある仲間を得て、自分の行動に悩む。

 

2作目では、女性や子どもなどに悪事を働く者を討伐する。

 

そして3作目で犯罪者というレッテルはありつつ、その中でも自身が張っている一線を超えた人間に容赦をしない信念を持ったアンチヒロイン的存在へと生まれ変わった。

 

これら3作は、紛れもなくハーレイ・クインというアンチヒロインの誕生譚だったわけだ。

 

また、アクションシーンも回を追うごとにキレッキレになっていき、3作目ではマシンガンや槍を駆使した見せ場をカッコよく立ち回った。

f:id:shikamarusan:20210904202125j:image細部までハーレイらしさが伝わる愛銃《画像:“DC展 ヒーローの誕生”の展示》

 

今後のハーレイ・クイン

バーズオブプレイ、新スースクの2本を一気に演じたハーレイ役のマーゴット・ロビーは、当分ハーレイとして休暇を取りたいと発言していたことから、当分はハーレイのスクリーンへの復帰はない可能性がある。

 

しかし、いまやDCの看板を背負ういちキャラクターとなった彼女がこのまま退場というのは考えにくい。

 

実際、ジョーカーとは切り離されたキャラクターとなったことで、今後予定されているバーズオブプレイのスピンオフドラマ「ブラック・キャナリー」バットマンの仲間である女性キャラを描いたバットガールなど、登場してもおかしくはない作品は多々予定されている。

 

今後もきっとどこかのタイミングでまたハーレイに会えることを祈りましょう。

 

以上。駄話でした。