《映画感想》天才が発掘される前の葛藤『チック、チック…ブーン!』に心奪われる
先日観てきた映画。『tick,tick…Boom!:チック、チック…ブーン!』があまりにも胸に刺さりすぎた人間です。
なので、今回は少しばかし感想をダラダラと書かせてもらおうかな、と思います。
ジョナサン・ラーソンとは?
今回の映画、ジョナサン・ラーソンという方の自伝的な作品です。じゃあその人誰なの?という話。
彼はアメリカの作曲家兼脚本家、大きく言うと“ミュージカル脚本家”です。
代表作として、『RENT』という作品があります。
『RENT』で歌われる“Seasons of Love”は誰もが耳にしたことがあると言っていいほど有名です。
ロングラン公演記録の上位に食い込むほどブロードウェイでは公演されており、2005年には映画化もしています。
彼の詳細については、映画を観ていただければ大方分かります。
あらすじ
ミュージカル作曲家を目指す青年・ジョナサン・ラーソン。30歳の誕生日を目前に控え、恋や友情の悩み、ニューヨークでアーティストとして生きるプレッシャーなど、最高の作品を作りたいという焦りに直面してゆく。
ーーWikipedia参照
感想
実は今作、Netflixで配信されている作品で、それに先駆けて先行劇場上映という形で数カ所の劇場で公開されています。
私は有楽町のヒューマントラストシネマ有楽町で鑑賞してきました。
ここのクランベリー&キャラメルポップコーンがバリ美味い。
ヒューマントラストシネマ有楽町 | 大人の休日が過ごせる心地の良い映画館
…話が脱線しました。
感想としては、劇場で観て大正解なミュージカル映画の傑作だ!!と思いました。
まず音楽の話になってしまいますが、どの曲も素晴らしい。
冒頭、30歳を目前にした主人公ジョンが、消えつつある若さや憧れの人物や両親に比べて自分がまだ何も成し遂げていないことに焦りを感じることを歌う『30/90』からテンションはブチ上がり(タイトルは人生90年のうちの30歳であるという意味)。
この曲だけでも聴いていただきたい。
20代後半の人などには凄く刺さるのでは?
自分も20代を後半に差し掛かりつつあるのでココも刺さるのです…トホホ
他にもバイト先のダイナーに来る客たちに対する蔑んだ皮肉が効いた『Sunday』やジョンが彼女を想って書いた『Come To Your Senses』、終盤で歌われる『Louder Than Words』『Why』などとにかく良曲揃い。
とにかくどの歌もホントに歌唱後に拍手したくなるくらいのめり込みました。
主演のアンドリュー・ガーフィールドはハンサムなのに年々演技派として磨きがかかってきている俳優なのは知ってましたが、歌まで歌えるとは…。
サントラを聴きたくなるのは間違いないと思います。
そして、ストーリーですが、実話を元にしている作品であると同時に、多くのテーマを背負い込んでいる作品です。
例えば、上記したように夢見る若者から現実を見なければならない年齢になっていくことへの焦りや不安を主人公は体現しています。そして、ゲイの親友がマイノリティであるが故に抱えている苦しみや終盤訪れる悲しすぎる現実。
ジョンが後の『RENT』でも取り上げている題材であるため、彼の身に近しい出来事たちだったことは一目瞭然です。
ミュージカル脚本家を目指して、俳優を志す親友と二人でニューヨークにやって来て、古いアパートでルームシェア。昼はダイナーで働きながら、自身の作品を発表したり、オーディションを受けたり。結果はダメダメでもアパートに帰ってきて、仲間達とどんちゃん騒ぎで慰められる。
そんな生活に近いことを、私も心のどこか片隅に考えていた時代がありました。
高校生や大学生の頃はそんな夢ばかり見ていたので笑
でも、それが現実に引き返される時期。今作はその、最後の青春が終わる瞬間が描かかれていると思います。
実際の劇は、ジョンが一人でピアノで弾き語りなどをしながら進行する作品だったようで、その多彩さに驚きます。ミュージカルが書けて、歌も歌えるとか笑笑
若い頃に芸術などを職にしようと志した人や昔描いていた20代後半と現在にギャップを感じている人などには、心奪われるシーンが多いと思います。
とにかく、今作はありがたいことにNetflixで配信されている作品であります。
個人的にミュージカル映画の傑作だと思うので、是非多くの人に観て欲しい。
ちなみに、、、
現在、同じくミュージカル映画の『ディア・エヴァン・ハンセン』が公開しています。
こちらも予告から涙ちょちょぎれそう。
早く観たい〜。
以上
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